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2016年03月29日

最終章 ありがとうと、さようなら

«前回までのあらすじ»


ジオン軍下っ端諜報員の“せいら”は、バッテリーが上がってしまった愛機ザクⅡの新しいバッテリーを調達するための資金稼ぎとして、やむおえず、しかし強引にめいどりぃたへ潜入する!
最初のうちは、愛機と共に«NGN»へと帰還することだけを考えていたせいらだったが、優しくて暖かいたくさんのご主人様・お嬢様との出会いが、次第にせいらの心を変えてゆく!
着実に、しかしとてつもない速さで育ってゆくこの感情は何なのか!?

そして、前回のブログの最後の方で、オマケのようにサラッと公開されていた誕生日の話はどうなったのか!?

さらに、前回は平日かつ普段は定休日ながらも、“奇跡”とも呼べるほどたくさんのご主人様・お嬢様にご帰宅していただいて、文字通り狂喜乱舞していたが、果たして今回もご主人様・お嬢様にご帰宅していただくことはできるのか!?

気が付けば時計の針は夜中の0時を指し、日付は3月23日へと変わった。
せいらの31歳の...じゃない、13回目の18歳の誕生日が――そして、3度目のお給仕の日がやってきた――!


――――――――――



«手記» 2016年3月23日 PM21:00


私の不安は、いつも杞憂で終わるらしい。

前回の“奇跡”のお給仕の日から、ちょうど1週間。
17時を過ぎる前の私の心には、初めてのお給仕や2度目のお給仕の時に感じていた緊張感とはまた異なる、焦燥やプレッシャーといったような、異質な不安に満ち満ちていた。

前回は本当にたくさんのご主人様・お嬢様にご帰宅していただいた。
今思い返してみても、夢だったのではないかと自分自身を疑ってしまうほど、本当に楽しくて嬉しい時間を過ごさせていただいた。
潜伏先に帰り寝床に就いてからも、その日のお給仕を思い返してはひとりでニヤつき、嬉しい気持ちが抑えられずなかなか寝付けずに居たくらい、本当に嬉しい出来事だったのだ。

しかし、幸せな気持ちで寝付いたはいいものの、次の日の朝起きてみると、実に奇妙な、えも言われぬような漠然とした不安が、わたしの心に霧をかけた。


もしかしたら、昨日のあの“奇跡”のお給仕は、ただただ私の運がよかっただけ――つまるところ“まぐれ”というやつだったのではないだろうか。
最悪、その“まぐれ”ですらなく、あの夢のような時間は、本当に夢だったのではないだろうか――。


ともすれば、ご帰宅してくださるご主人様・お嬢様への冒涜とも解釈されかねないような、バカバカしい不安。
しかし私は、その下らない不安を全て拭い去ることができないままで居た。

もし次の、3度目のお給仕で、誰にもご帰宅していただけなかったら。
あの夢のようなお給仕は、本当に夢になってしまうのではないか――。

これまで感じていたものとはちがう、恐怖にも近い、不安。

しかし私は、あの最高に楽しかった時間を決して夢にはしたくない。

そうして、ひどく気負って迎えた、3月23日。


私の不安は、いつもご帰宅してくださるご主人様・お嬢様が杞憂へと変えてくださるのだ。


今日も17時から20時過ぎまで、本当にたくさんのご主人様にご帰宅していただくことが叶ったのだ!
チェキもたくさん撮らせていただいたし、絵はがきもたくさん描かせていただいたし、喉が枯れるほどたくさんお話しすることができたし、心だけじゃなく体まで熱くなるほどたくさん笑った!
ああ、前回のお給仕は夢じゃない!
夢だけど、夢じゃなかった!
ご帰宅してくださったご主人様、本当にありがとうございました!

みなさまのおかげで、私は幸せな夢を見ていられる。
ジオン軍下っ端諜報員という肩書きも、«NGN»での潜伏生活も、バッテリー上がりで帰還できない現実も、それを調達するために潜入したという当初の目的も――全て忘れて、まるではじめっからめいどりぃたのメイドであったような、そんな夢のような、錯覚。

できれば、ご帰宅してくださるご主人様・お嬢様にも、日常を忘れて、めいどりぃたで夢のような時間を過ごしていただきたい。
私にそんな大それたことができるのか、と不安になるが、その不安もまた杞憂で終わることだろう。

杞憂は終わり、夢は続く。


次のお給仕は、3月30日。

これが、私の最後のお給仕。

私の夢が弾けて消える、その最後の瞬間まで、
みなさまと共に、夢を見ていたい。
そして私の夢が覚めても、
みなさまはどうかめいどりぃたで、
いつまでも夢のような時間を過ごせますように。

3月30日水曜日、みなさまのご帰宅を、心よりお待ちしております。


――――――――――



«次回のあらすじ»

最終回というだけあって、やけにしんみりした...というかしけたブログになってしまったが、果たしてここまで読んでくださっているご主人様・お嬢様はいらっしゃるのだろうか!?

そしてそんなブログの文章とはうってかわって、実物のせいらは被っていたネコが1匹また1匹と野生に帰りはじめ、本来のハイテンションおじさんの姿が現れつつあった!
果たしてせいらは最後までメイドという外っ面を保ち続けることができるのだろうか!?

そしてこんなジェットコースターのような激しく情緒不安定なブログを見て、本当にご主人様・お嬢様はご帰宅してくださるのだろうか!?

まさか、最終回でひとりぼっちという悪夢が現実となってしまうのか!?

やめて!自身の本当の姿の自業自得で、サーフェイス・オブ・メイドニングを焼き払われたら、潜入活動で仮の姿と繋がってるせいらの化けの皮が剥がれちゃう!
お願い、死なないでせいら!あんたが今ここで倒れたら、ご主人様やお嬢様との約束はどうなっちゃうの?
お給仕はまだ残ってる。
ここを耐えれば、ハイテンションおじさんを隠し通せるんだから!

次回、「せいら 死す」。デュエルスタンバイ!


(«上映情報»
2016年3月30日(水曜日) 17:00-
めいどりぃた内にて)


――――――――――



«追記»

ここまですっかり忘れていて、当日も教えていただくまでてっきり忘れてしまっていましたが(笑)、
23日のわたしの誕生日をお祝いしてくださったご主人様、本当にありがとうございました!
頂いたプレゼントはアパートの契約書や幼い日に河川敷で拾ったつるすべな石など、大切なものを入れる箱の中へ、
頂いたお祝いの言葉は、海馬の長期記憶の領域の中へ、大切に保管させていただきました。本当にありがとうございました!

次回、最終回も一応卒業式と銘打ってはいますが、うっかりせいらはまたもやさっぱり忘れてしまっていると思うので、もしも覚えてくださっているご主人様・お嬢様がいらっしゃいましたら、こっそり耳打ちしていただければと思います(笑)

それでは、ご主人様・お嬢様のご帰宅を、心よりお待ちしております!


«水曜日よりの使者»せいら
最終章 ありがとうと、さようなら


Posted by めいどりぃた at 19:41│Comments(0)
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